JK1UVL 保坂健二 です
総務省が、今後の電波利用をどのように進めていくかをまとめ、
パブリックに意見を求める資料として、
『周波数再編アクションプラン』
というものがあります。
先般、これが公表されました。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban09_000031.html
アクションプランについてはこれ↓
http://www.soumu.go.jp/main_content/000054300.pdf
これにあたっては関係団体、企業からの意見を昨年暮れに募集し、
改めて総務省からの返答に相当するコメントも公表されています。
各団体の意見と総務省の回答はこちら
http://www.soumu.go.jp/main_content/000054301.pdf
各企業が、何を手掛けようとしているのか、よく分かりますね(笑)
はじめのアクションプランにはいくつか興味深いことが書かれています。
特に、アマチュア的に気になるのは、第2章Ⅰの、
「今後取り組むべき課題 ①」
“通信と同時に電力を伝送することが可能な近距離無線伝送システム用の周波数として、
短波帯以下を候補として、高度利用のための周波数共用技術等に関する技術的検討を進める。”
PLCの次はこれですか・・・。
つまり、
「電波でデータとともに電力も供給するシステムを短波帯以下を候補に検討」です。
自分の記憶では、
昔、ソ連がシベリアに電力を送るのに電波を使おうとして実験をやって、派手にノイズをまき散らした、
というようなエピソードが頭の隅にあるのですが・・。
これは(参考1)の
「新しい電波利用の実現に向けた研究開発等」
の中に説明がありますが、
“家庭において、テレビ、レコーダー、パソコン等のあらゆる情報機器間の配線をなくし、
コードレス化を可能とする家庭内ワイヤレスシステムの実現に向けて、以下について取り組む”
ことの一つとして、
“データと電力を同時に送るシステムを考える”というもの。
そこまで便利にしなくても。という気もするのですが。
さらに、もう一点。
同じく③に、
「平成23年度に国際分配が予定されている中波帯のアマチュア無線について、
周波数の有効利用に関する技術的検討を進める。」
とあります。
これって、どこのバンドのことでしたっけ?
さらには、平成34年にパーソナル無線廃止、というプランも。
(参考2)には、「平成20年度電波の利用状況調査の評価結果」というデータがありますが、
各周波数帯の利用状況では軒並み、
「アマチュア無線を除くと増加傾向にあり・・」なんて書かれていて、
なんと淋しいことよ・・。
また、
「表1 無線局免許を要する電波利用システムグループ別の無線局数等」
を見ると、
アマチュア局だけでも、
HFの免許を持っている局数と430の免許を持っている局数には
大きな開きがあることがわかります。
ほかにも、無線LANの対策や、BS放送のスーパーハイビジョン化、
なんて単語も出てきたりして、
この資料、なかなか面白いです。