府中アマチュア無線クラブのブログ

JK1UVL 保坂 です

先日、休暇を取って日本の最西端・与那国島に行ってきました。
沖縄本島までは500km以上、東の石垣島までは124kmなのに対し、
西の台湾までは111kmしかないという国境の島。
荷物が多かったので今回は無線機は持っていかなかったのですが、
やっぱり、無線に関することが気になります。

レンタカーで島内を周っている途中、入ったある店で、地元沖縄の中波局・ラジオ沖縄の番組がラジカセから流れていました。
職業病というのでしょうか、番組内容が気になります。
でも、それ以上に気になったのが、「ずいぶん音が良いなぁ」ということ。
もちろん、本島からの距離、石垣島からの距離を考えれば中継局があるのは当然だろうと思っていました。
でも、前日、島の中を自転車で一周した時には、中波アンテナらしいものは見当たりませんでした。
西表からの中継なのかな、とも思ったのですが・・。

車に戻って、カーラジオをつけました。
強い中波局がすぐ見つかりました。
でも、聴いているとなんか、おかしい。日本語じゃない。

スキャンしてみると、次々にAM局がヒットするのですが、どれもこれも中国語。
どうやら、台湾局のようです。

どこにも日本語の局がいません。
それじゃあ、と思ってFMにしてみました。

すると、先ほど店で聴いていた番組が流れてきます。
FMでスキャンしてみると、NHKは3波、民放は2波、引っかかります。
しかも、NHKは通常の第一、第二放送。民放は中波局の琉球放送とラジオ沖縄です。

なるほど、これはどうやら、台湾局のQRMを避けるために、
AMのラジオを、狭い島内限定でFM波で放送しているということのようです。
道理でAM局の番組の音が良いわけです。

戻ってきてから調べてみました。
このFMによる中継は、わずか5,6年前にスタートした措置なんですね。
しかも、AMのNHK、民放ラジオの内容を全てFMで放送しているというのはこの与那国島だけとか。
同じく、沖縄の北大東島・南大東島も同様に中は放送をFMで再送信をしているらしいのですが、
そこにはNHK第二放送がない。

QRM回避のための措置とはいえ、狭いエリアだけに放送を流す、という対応であれば
確かに、FMだけの中継局はbestな選択かもしれません。
離島ならではのシステムですね。
正直、これは羨ましい・・

しかし、まあ、わずか100kmの距離だけに、日中でもAMでバンバン台湾のラジオが聞こえます。
プログラムの種類も多く、まるでアメリカのFM局のようでした。
これもまた、羨ましい・・・。

それともう一つ。
島内で一番高い山、宇良部岳231.4mの山頂にパラボラ鉄塔が見え、
林道が続いていたようなので車で上がってみました。
やはり、あったのはNTT与那国中継所。
眺めがいいところです。
でも、鉄塔を見上げると、中継局とはいうものの、パラボラは西表島のある、
1方向しか向いていません。
NTTの回線ルートのことはよくわかりませんが、さすがに日本の最西端だけに、
「ここで終点」なのでしょうか。
ターミネーターみたいな中継局、あるいは受信専門局なのかも知れませんね。

旅行に行っても、こういうところに目が行ってしまいます。
でも、そこから様々な想像が出来るので、これはこれで面白いものですね。

コメント

コメント(1) “最西端の島のラジオ事情”

  1. 7N3GJC

    「日本の最西端・与那国島」旅行、うらやましいですね。
    私は47都道府県で、唯一、沖縄県はだけには行ったことがありません。私がラジオ放送で国境が近いと感じたのは、北海道の網走から稚内に向けて一人でドライブしていたときです。天気が悪く鉛色の空の下、さしたる風景の変化もなく、強く入感するのは理解できないロシア語(?)と耳になじまない音楽の放送。えらく気が滅入ったことを覚えています。
    20年ほど前に秋葉原の露天で、台湾製の薬師丸ひろ子のカセットテープが1本200円ぐらいで売っていたので買ったことがあります。カセットには「薬師丸博子」とありました。たぶん不法な商品だったのでしょう。海賊版を台湾国内で売れるということは、日本の放送のリスナーが多かったのでしょうね。
    音質が良いFM放送なら、エアチックした音源で海賊版ができたりするかも。

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